この記事では、都道府県が行っている私立高校の授業料軽減制度について解説します。
都道府県が国の制度とは別に授業料支援をしている
高校の授業料は、国の制度である「高等学校等就学支援金制度」によって、私立高校の授業料も無償化対象の上限が拡大しました。
ただ、都道府県によっては全額無料にはならず、その場合の差額は各世帯の負担になります。
その差額の負担を少しでも軽減させようと、国の制度に加えて各自治体が独自に授業料を負担してくれる制度があります。
ポイント
- 都道府県が私立高校の授業料を一部負担してくれる制度
- 国の就学支援金制度にプラスして支給される
- 都道府県ごとに助成金額等の条件が異なる
制度名称がたくさんあってややこしい
ちなみにこの制度の名称は、各都道府県ごとに微妙に異なっています。
(例)
- 北海道:授業料軽減制度
- 千葉県:授業料減免制度
- 大阪府:授業料支援制度
そのため、インターネット等で調べていると時々混乱してしまうのですが、支援内容はいずれも授業料を自治体が一部負担してくれる、というもので一致しています。
参考までに、国による制度の名称は「高等学校等就学支援金制度」です。
支援内容は都道府県でどのくらい違う?
私立高校の授業料軽減制度を設けるかどうかは、各都道府県の判断に委ねられています。そのため自治体によっては独自の制度がない都道府県もあります。
自分の住んでいる地域には制度があるか、自治体のホームページを確認してみましょう。
支援対象の基準は国の制度とだいたい同じ
支援対象・内容は所得に応じて異なります。その基準は国の「高等学校等就学支援金制度」で定めているものと同じにしている自治体が多いようです。
具体的には、年収目安が590万円未満か、590万円~910万円未満か、で線引しています。低所得者層に対してはさらに基準を細く設定して支給額を手厚くしている自治体もあるようです。
ベネッセの情報サイトが参考になる
正確な情報は自治体のホームページで確認することをおすすめしますが、ベネッセの情報サイトの内容がとても分かりやすく参考になりました。
上記サイトでは、各都道府県独自の授業料軽減制度について調べてあり、さらに軽減後の実質負担額を世帯年収別にまとめています。
上記5つの都道府県を例に、初年度の授業料・入学金の平均額と軽減後の実質負担額の例を表にまとめてみましたのでご紹介します。
例:減額前の授業料・入学金
各都道府県の授業料や入学金は、文部科学省が発表している「令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」をもとに算出しています。
「制度有無」は、各都道府県独自の軽減制度があるか否かを表しています。
都道府県名 | 初年度学費平均額 | 制度有無 |
---|---|---|
北海道 | 611,388 | ○ |
秋田県 | 636,505 | × |
東京都 | 934,038 | × |
千葉県 | 716,053 | ○ |
大阪府 | 810,195 | ○ |
例:減額後の実際の負担額
続いて、国の制度に加えて各都道府県が実施している制度で減額されたあとの、実際に負担する金額の結果がこちらになります。
都道府県名 | 590万未満 | 590 〜 910万円程度 |
---|---|---|
北海道 | 260,604 | 492,588 |
秋田県 | 336,505 | 517,705 |
東京都 | データなし | データなし |
千葉県 | 398,431 | 597,253 |
大阪府 | 223,250 | 323,250 |
私は千葉県在住ですが、この中だと一番実質負担額が多いですね、、、残念。。
まとめ
以上、都道府県が行っている私立高校の授業料軽減助成制度についてでした!
ポイントおさらい
- 都道府県が私立高校の授業料を一部負担してくれる制度
- 国の就学支援金制度にプラスして支給される
- 都道府県ごとに助成金額や所得制限の条件が異なる
上で示した例を見ていただくと分かるように、各自治体によって結構支援の内容に差がありますね。
また、年度によって支援内容が異なる可能性もあるので、各自治体のホームページを確認するか、最寄りの市区町村の役所で問い合わせてみましょう。