この記事では、高等学校等就学支援金制度について解説します。
高等学校等就学支援金制度とは?
「高等学校等就学支援金制度」とは、授業料を国が支援する制度のことで、「高校授業料の無償化」とも呼ばれています。
平成22年(2010年)に開始され、令和2年(2020年)に大きく制度改正が行われました。この改正により、私立高校の授業料負担がグッと軽くなりました。
ポイント
- 私立も含め高校の授業料を国が支援する制度(実質無償化)
- 世帯年収910万円未満が対象(590万円未満の場合は支給額が更に増える)
- 学校から案内があるので申込みは学校に対して行う
支給内容の詳細
具体的な支給額は、世帯年収や通う学校の種類によって異なります。
ここでは全日制高校の場合を例に解説します。
公立高校の場合
世帯年収が910万円未満の場合、年間11万8,800円(月額換算9,900円)分の授業料が無償化対象となります。
この金額は授業料の全額に相当するので、実質負担が0円になります。
私立高校の場合
世帯年収が590万円未満の場合、年間39万6,000円(月額換算33,000円)分の授業料が無償化対象となります。
なお、通っている学校の授業料がさらに高い場合、その差額分は実費負担となります。
また、私立の場合は世帯年収590万円以上(かつ910万円未満)だと、公立高校と同じ額までしか支給対象にならないので注意が必要です。
所得制限はある?受給の条件について
高等学校等就学支援金制度は、受給にあたって所得制限があります。先程解説したように世帯年収が910万円または590万円を堺に支給額が変わります。世帯年収が910万円以上の場合は残念ながら対象外となります。
ここまでの解説で、世帯年収が○○万円、という言い方をしてきました。しかし、正確には年収ベースではなく「課税所得」が判定基準になります。
具体的な計算方法は以下の通りです。
【算定式】課税標準額(課税所得額)×6% - 市町村民税の調整控除の額
(計算結果の例)
154,500円・・・世帯年収が590万円前後だとこの額になる
304,200円・・・世帯年収が910万円前後だとこの額になる
基準額の境目に該当する方は、年末調整や確定申告の書類や納税通知書などを元に計算してみましょう。
制度改正前は、世帯年収590万円未満もさらに3段階に分かれて支給額が異なっていましたが、改正後は世帯年収590万円未満は一本化されました。
また、改正前は地方税の「所得割額」という、普段あまり聞き慣れないものを基準にしていましたが、改正後は「課税所得」を基準として判定するように変更されました。
申込は学校で。各家庭に現金支給されるわけではない
制度の申込は、入学時などに学校から案内があるのでその時に申込みます。
なお、支援される授業料は国から学校に対して支払われますので、各家庭に振り込まれるわけではありません。
まとめ
以上、「高等学校等就学支援金制度」についての解説でした!
ポイントおさらい
- 私立も含め高校の授業料を国が支援する制度(実質無償化)
- 世帯年収910万円未満が対象(590万円未満の場合は支給額が更に増える)
- 学校から案内があるので申込みは学校に対して行う
令和2年(2020年)の制度改正のおかげで、私立高校の支援額が大幅に底上げされました。そのため進学先を選びやすくなったのはありがたいですね!