引用:日本政策金融公庫
この記事では、国が行っている教育ローンについて調べてみたのでその内容をご紹介します。
国の教育ローンとは?
国の教育ローンとは、日本政策金融公庫という、国が100%出資している金融機関から無担保で教育資金を借りられるローンのことです。
ポイント
- 日本政策金融公庫から無担保で借りられる教育ローン
- 日本学生支援機構の奨学金と併用可能
- 固定金利1.68%、返済期間は最長15年で最大350万円まで借りられる
※金利等の内容は2021年4月時点のものです。最新の情報は日本政策金融公庫の公式サイトでご確認ください
日本政策金融公庫について
日本政策金融公庫は、2008年に発足した全額政府出資の金融機関です。国民生活金融公庫、農業漁協金融公庫、中小企業金融公庫などを統合し組織されました。
教育ローン事業以外にも、中小企業や農林水産事業者に向けた融資なども行っています。
貸付内容詳細について
貸付内容の具体的な内容・条件は以下のとおりです。
- 学生・生徒1人につき上限350万円まで
(海外留学の場合は450万円まで) - 固定金利1.68%
- 受験前でも申込み可能
- 返済期間は原則15年以内
- 母子家庭や子ども3人以上等の場合は金利、返済期間の優遇制度あり
世帯年収上限額はあるの?
国の教育ローンは、奨学金が利用できない場合でもローンを組める点がメリットのひとつですが、一方で利用するには世帯年収の上限があります。
上限額は、子どもの人数ごとに設定されています。
お子さまの人数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
---|---|
1人 | 790万円(600万円) |
2人 | 890万円(690万円) |
3人 | 990万円(790万円) |
4人 | 1,090万円(890万円) |
5人 | 1,190万円(990万円) |
共働き家庭の場合、上限オーバーしてしまう家庭も少なくなさそうですね。。ただ子どもの人数が1~2人の場合、要件を満たせば上限が990万円(790万円)まで緩和されるようなので、更に詳しく知りたい方は日本政策金融公庫のホームページで確認してみてください。
連帯保証人は必要?
連帯保証人は、必要になるケースとならないケースがあります。
まず、教育資金融資保証基金による保証を利用する場合は連帯保証人は不要です。「教育資金融資保証基金による保証」とは、公益財団法人である教育資金融資保証基金に対し、保証料を支払うことで保証人になってもらうことをいいます。
保証料の額は、返済期間と元金据置期間によって異なりますが、約2万円~10万円程度が目安となります。
保証料は、繰り上げ返済をした場合一部戻ってくるケースもあるようですが、基本的には戻ってきません。そのためこの保証料を支払いたくない場合は保証人を立てる必要があります。保証人になれるのは進学者・在学者の4親等以内の親族までになります。
教育ローン全般の特徴
国の教育ローンだけでなく、民間の教育ローンもあります。どちらにも共通して言える特徴は次のようなものがあります。
- 奨学金と違い借りるのが親なので、子どもの負担がない
- 年収制限で奨学金を利用できない場合も借りることができる
- 契約成立後、一括で受け取れる
- 資金を手にするまでが早い
- 契約者本人に万が一のことがあった場合でも引き続き返済は必要
意外と幅広い用途に使える!
国の教育ローンで借りたお金は、原則教育にかかわるものにしか使えません。しかし、その範囲は意外と広いんです。
入学金、授業料のほか、受験にかかった費用も対象になります。受験も、純粋な受験料だけでなく交通費や宿泊費などにも利用可能です。
また、一人暮らしをする場合の家賃代や、パソコン購入費にも活用することができるので、かなり広範囲な用途に使えます。
その他の活用方法としては、計画以上に支出が増えそうな場合にも使えます。
例えば「すべりどめ」のため想定より多くの学校を受けることになった時にも、国の教育ローンは活用できます。(しかも国のローンなので金利も民間ローンと比べて低い!)
いつでもキャンセル可能なので念のため申し込む、でもOK
国の教育ローンは1年中いつでも受付していますが、申込みから入金までは2~3ヶ月程度が目安となっています。そのため借りる場合は余裕を持って申し込みをしたほうがよいでしょう。
また、融資が決定したあとでもキャンセルは可能となっているので、必要になるかどうか微妙な場合でも念のため申し込んでおく、といった使い方もできそうです。そのため先ほどの例であげたように「すべりどめ」などで想定外の出費が発生しそう、、、という場合も安心ですね。
借りた親に万が一のことがあっても返済は免除されないので注意
国の教育ローンを利用するにあたって注意すべき点は、ローンを組んだ親本人が亡くなった場合でも、返済は免除されないという点です。
住宅ローンの団信や学資保険などのように、死亡時はそれ以降の返済は免除ということはなく、万が一ローンを借りた本人が亡くなった場合は契約者を配偶者や子どもなどに変更して、完済していく必要があります。
「万が一の時は返済免除してもらいたい」という場合は、利息が割高になりますが国の教育ローンではなく、銀行など民間の教育ローンを検討するという手もあります。
まとめ
以上、国の教育ローンに関して調べてみた内容のご紹介でした!
ポイントおさらい
- 日本政策金融公庫から無担保で借りられる教育ローン
- 日本学生支援機構の奨学金と併用可能
- 固定金利1.68%、返済期間は最長15年で最大350万円まで借りられる
子どもの教育資金を確保するため、色んな方法を検討しつつしっかり準備しておきたいものですね!
参考リンク