教育費の基礎知識

教育費を貯める方法 ~財形貯蓄~

この記事では、教育費を貯める方法のうち「財形貯蓄」を解説します。

財形貯蓄とは?

財形貯蓄とは、会社の福利厚生の一種で、給料やボーナスから一定額を天引き(自動振替)することで貯金することができる制度のことです。正式名称は「勤労者財産形成促進制度」といい、勤労者財産形成促進法という法律にもとづいて運用される制度です。

ポイント

  • 給料から天引して貯金できる制度
  • 福利厚生の一環なので、制度がない会社もある
  • 「財形住宅貯蓄」を使って教育資金を貯める方法もある

財形貯蓄には3種類ある

財形貯蓄制度には以下3種類があります。

  1. 一般財形貯蓄
  2. 財形年金貯蓄
  3. 財形住宅貯蓄

3種類の違いは、貯蓄の目的と非課税の有無です。

一般財形は使用目的を限定せずに使えますが、非課税の対象外です。財形年金と財形住宅は使用目的が限定される代わりに、一定額まで利子等に税金がかかりません。

教育費目的で財形貯蓄を利用する場合は通常、「一般財形貯蓄」を選択することになります。

ただちょっと裏ワザ的な方法を使って「財形住宅貯蓄」の非課税メリットを享受しつつ教育費として貯めることも可能なんです。その方法は後述しますね。

財形貯蓄のメリット

利子等に対して税金がかからない

財形年金と財形住宅の場合、貯蓄残高の550万円まで利子等に税金がかかりません

一方、一般財形の場合は元金についた利子に対し、約20%源泉分離課税されます。

源泉分離課税について

株式などの金融商品の多くは、利益が出るとその利益分に対して所得税がかかります。例えば100円の利益が出た場合、20円が差し引かれ(源泉徴収され)手元に残るのは80円になります。源泉分離課税の「分離」とは、他の所得とは切り離して計算するという意味です。

天引き(自動振替)されるので強制的に貯蓄できる

財形貯蓄は、どの種類を選んだとしても給料やボーナス支払い時、別口座に天引きされるため、強制的に貯蓄できます。

普段の生活費用口座と貯蓄用の口座は分けて管理するのは貯蓄の基本ですが、財形貯蓄を利用すれば勝手に振り分けてくれるのでひと手間省けます。また、お金が残っているとついつい使ってしまうタイプの人にとってはお金をためやすく無駄遣いしにくいというメリットがあります。

財形貯蓄のデメリット

会社員なら全員利用できる、というわけではない

正確にはデメリットではありませんが、財形貯蓄制度はすべての企業が導入しているわけではないので、お勤め先の会社が導入していなければ利用することができません。

こちらの記事によると、導入している企業の割合は約35%程度のようです。

非課税対象となる利子がショボイ・・・

メリットのところで、財形年金と財形住宅なら利息等に税金はかからないと書きました。

しかし現在は定期預金はじめ、超低金利な時代が続いています。そのため実際には財形貯蓄を利用しても利子はほんのわずかしかつかず、利子を期待しすぎているとがっかりすることになりかねません。

商品によっては元本割れする可能性あり

財形貯蓄で取り扱う金融商品は、企業ごとによって異なります。定期預金型のものもあれば、保険や投資信託などもあります。

保険商品の場合、途中解約した場合は元本割れの可能性があります。

投資信託の場合、運用成績次第では元本割れの可能性があります。

「財形住宅貯蓄」を使って教育費を貯める裏ワザ

通常、教育費目的で財形貯蓄するなら一般財形を選択することになります。

なぜなら財形住宅の場合、積立た貯蓄を目的外(住宅の購入やリフォームなど)で引き出すと5年間さかのぼって課税扱いになるというペナルティが課せられます(貯蓄型商品を選んだ場合)。

しかし、このペナルティを逆手に取り、あえて「財形住宅」で教育費を貯めることも可能です。

つまり、ペナルティとして課せられる期間は5年間のみなので、それより長く貯蓄していた場合は6年目以降の期間に対しては非課税になるのです。

教育費について網羅的に解説しているこちらの書籍でも紹介している方法なので、気になる方は書籍もあわせて読んでみてください。

ちなみに財形年金は60歳以降にならないと引き出せないため、この方法には適していません。

教育費を財形貯蓄で貯めるのはあり?なし?

ここまで財形住宅についてのメリット・デメリットについてみてきました。

では教育費を貯めるにあたって財形貯蓄を活用するのはありでしょうか?

お勤め先が導入していれば是非活用を

裏ワザとして財形住宅を選択したとしても、低金利時代のため利子自体がさほどつかないため、非課税の恩恵はあまり感じないと思います。

それでも、自動的に生活費口座と別の口座に積み立てることができるため、貯めやすいですし他の用途につい使ってしまうということも防ぎやすいです。

一度手続きしてしまえばあとは勝手に引き落とされるので手間もかかりません。(転職時には手続きが発生しますが)

そのためもしお勤め先に財形貯蓄制度がある場合はぜひ活用を検討してみるとよいでしょう。

 

yoshi-01

yoshiはフリーランスなので財形貯蓄制度が使えません・・・。会社員の福利厚生うらやましぃ~~~

まとめ

以上、財形貯蓄制度についての解説でした!

ポイントおさらい

  • 給料から天引して貯金できる制度
  • 福利厚生の一環なので、制度がない会社もある
  • 「財形住宅貯蓄」を使って教育資金を貯める方法もある

教育費は、支出の時期がほぼ決まっています。そのため元本割れリスクは避けて確実に貯めたい!という人も多いはず。そういう人にとって財形貯蓄制度は有力な選択肢の一つになりますね。

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